観光資源の観賞方法は、資源と対面することが基本となるが、「みる」ために必要な距離をおいて高所(展望地点)からその全体像を俯瞰する、また、資源の中に身をおいてその雄大さを実感するという形態が基本となる。
山岳であれば、山容の美しさは近づきすぎると、かえって見失われることもあり、適切な展望地点の確保が欠かせない。
展望地点では「みる」ために視界を広げることなども積極的に検討されてしかるべきであろう。
自然環境への影響をできるだけ抑えていくためには、開発箇所を集約していくことが必要であるが、その対応方法にはさまざまなタイプがありうる。
たとえば尾瀬では、現在の遊歩道による徒歩での観賞に対し、湿原内は立入禁止として湿原を展望できる車道を整備し、より多くの人々に貴重な資源に接する機会を与えていくほうが、資源の保全上も観光利用の効用の面でも良いのではないかとの議論。
なお、高原など面的な資源の中では、付帯的に休憩施設や宿泊施設が設けられている場合も少なくない。
しかし、たとえば家の場合に客間とは別に食堂・居間・寝室とがあるように、機能面での違いを明確に分けて、土地利用や施設整備を考えていくことが必要である。
短絡的に営業上の効率や利用者の利便を優先するあまり、観光活動の成立基盤である観光資源自体を損ねてしまっては、本末転倒といわざるをえない。
「サスティナブル・ツーリズム」の考えは、まさにこうした観光の開発と保護との関係の実現を狙っているもの絵画や書物、また民具といった対象物は一カ所に集め博物館や郷土資料館として旅行者の閲覧に供していく。
博物館では、収蔵品の大半は修復・保全や研究の対象とされており、その一部を展示するサイクルを繰り返している。
自然資源や街並みなどの観光利用に際しても、保護と保全とが一体となったこのシステムの応用が考えられよう。
点的な人文資源では、それを取り囲むオープンスペースを確保し園地として整備するなど、周辺環境を含めた場の演出が資源に接した際の感動をより大きなものとしてくる。
社寺では参道を登って本堂に至るアプローチの過程に意味がある。
観光資源への接近の仕方は、観光資源の有様によってさまざまである。
民家や街並みでは、そこに人々が生活していることが資源の保存や魅力の創出につながってくることも多地域としてのコンセンサスの確立が利用促進の前提ともなってくる。
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